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フィリピン国 マングローブ林資源評価調査

事業期間

1997年11月~1999年7月

事業形態

JICA開発調査

目標

 フィリピン国では急速に減少しているマングローブ林の保全を森林政策の柱の一つとしていた。このためにはマングローブ林の現状を正しく把握し、現状に適合した管理計画の樹立が喫緊の課題であった。したがって、マングローブ林の資源評価調査が求められ、将来のマングローブ林の管理計画策定に有効かつ最新なデータの集積を図る調査を実施すること及びフィリピンにおける本調査対象地域以外のマングローブ林の調査を環境天然資源省が引き続き行うための技術指針を示すことを目標に本調査が実施された。

活動内容

 カガヤン州アパリ、ケソン州ラモン湾、及びパラワン州ウルガン湾の3地区をモデル対象地域として、マングローブ林の適性管理に資する以下の諸活動を実施した。
  1. 航空写真の撮影
  2. 帯状調査によりマングローブ林分布の帯状構造を把握するトランセクト調査、それぞれの特色あるマングローブ林の樹種構成、樹冠粗密度等林分構造を把握するため標本調査の2種類の森林資源調査
  3. 森林資源調査結果に基づく航空写真判読とマングローブ土地利用図の作成と森林簿の作成
  4. マングローブ林地帯に隣接して生活している人々の実体を把握分析する社会経済調査
  5. 土地利用図や森林簿のGISデータとして整備
  6. 今後のフィリピン側の資源調査に資するためのマングローブ林資源調査マニュアルの作成

担当者から

 フィリピン国のマングローブ林域は、1920年代には50万haとかなり広範に存在したが、1950年代にフィリピン国政府は、マングローブ林を魚やエビ等の養魚池等へ転換する政策を採り、1980年代の空前のエビ輸出ブームでマングローブ林の開発・転換が急速に進み、マングローブ林面積は1993年には12万3千haと激減していた。この減少を食い止めるための最初の一歩となればとの思いで実施した。
 調査は、潮汐に左右されるため、朝早く(4時過ぎのことも)からボートに乗り込み、対象となるマングローブ林にアプローチし、腰まで沈むこともあるマングローブ土壌の上(中?)を歩いたり、時にはサルのようにマングローブの支柱根の上を飛び回ったりして、森林資源調査を実施した。だんだんとどこを歩くと沈むのかが分かってきたりして、素早くマングローブ林の中を移動できるようになった時にマングローブを愛し始めるのだと思う。マングローブの中での調査が終了し、帰りのボートの上で海から見るマングローブ林も、また、格別であった。

公開報告書等

JICA図書館(http://libopac.jica.go.jp/top/index.do?method=open)で以下のものが公開
フィリピン国 マングローブ林資源評価調査 ファイナルレポート
http://libopac.jica.go.jp/images/report/P0000043879.html
フィリピン国 マングローブ林資源評価調査事前(予備・I/A協議)調査報告書
 http://libopac.jica.go.jp/images/report/P0000040899.html

Rgizophora apiculataの成熟林
マングローブ林を判読した航空写真上にプロット調査地点を落としたもの
プロット調査の風景
成熟したBruguiera gymnorrhiza林で設定されたプロット