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モンゴル国 ダシンチレン郡での養蜂事業

事業期間

2018年6月~

事業形態

自主事業

目標

 一般社団法人ジョフカは、モンゴルにおける過放牧による放牧地砂漠化問題に着目し、2017年から林木資源の再生と開発利用による対策の可能性を検討し始め、良質な飼料木であるカラガナ(Caragana microphylla)を用いて、ボルガン県ダシンチレン郡で家畜飼料としてカラガナ灌木林の育成を開始した。カラガナ灌木林は成林し、飼料生産をできるようになるまで3~5年間がかかるが、2年目からは蜜源として利用できることから、2018年6月より郡政府への養蜂支援も始めた。放牧以外の新たな生計向上手段としての養蜂活動の導入は牧民たちにとって大きなインセンティブとなる。併せて養蜂を生計手段として確立することで、放牧家畜頭数を減らし、モンゴルの砂漠化を抑制することにつなげることが可能となる。


活動内容

1.ダシンチレン郡の役場に対して養蜂技術の移転を行い地域の養蜂指導者を育成し、品質の高いハチミツやビーポーレン(蜂花粉)を生産・販売し、収益を得るために必要な体制を整える。
2.カラガナの単花蜜やビーポーレン(蜂花粉)を採蜜・採取して販売を行うことで、カラガナの蜂産品をダシンチレン郡の新たな特産品とする。
3.ダシンチレン郡の養蜂家がモンゴル国内の他の養蜂家と連携を取り合い、技術や情報のキャッチアップを行える体制を整える。


担当者から


 一般社団法人ジョフカはモンゴルの首都ウランバートルから約350km西部に位置するボルガン県ダシンチレン郡において、砂漠化防止の観点と、灌木という未利用森林資源の開発の観点から、ジョフカの自主事業として、カラガナ林(灌木林)の造成を行ってきている。自社による植林のみならず、緑の募金の支援を受け、2020年4月までに約11haの植林が完了した。今後も、砂漠化防止のために助成金等の支援も得ながら、カラガナ灌木林を造成していく予定である。
 このカラガナはモンゴルの乾燥した大地に自生しており、5月頃には黄色い花を咲かせ、養蜂の蜜源としても、花粉源としてもポテンシャルがある。
 モンゴルにおける砂漠化の原因の一つに、家畜の過放牧により、地表のバイオマスが根こそぎ食べてしまうということが挙げられる。本事業はモンゴルの広大な土地を利用した養蜂活動を通じて、ダシンチレン郡の新たな生計向上手段の確立することで、放牧以外の代替収入を確保し、過放牧を減少させ、砂漠化を抑制することを目標としている。
 モンゴルでの養蜂は、越冬の方法や季節ごとの内検方法の習得が非常に重要である。その為、本事業では基本的な蜂群の内検技術の他に、マイナス20度以下となる冬場を如何に越冬させるか、そして、越冬した蜂群の巣箱内の蜂数を増やし強い群にしていく方法(越冬群の健勢)等の指導を行った。今まで養蜂を行ったことの無かったダシンチレン郡の役所のスタッフも、積極的に養蜂活動に参加しており、2019年には初めてのハチミツやビーポーレン(蜂花粉)の収穫、越冬にも成功した。
 なお、蜂群の越冬方法は公益社団法人 国際農林業協働協会の開発した越冬穴方法を用いた。
 今後、養蜂活動と、カラガナ灌木林による林業の相乗効果が発揮できることを期待している。

参考
公益社団法人 国際農林業協働協会(JAICAF)のHP
https://www.jaicaf.or.jp/
 
庭先越冬
https://www.jaicaf.or.jp/fileadmin/user_upload/news/news/beesum-p2.pdf
 
養蜂振興による所得向上プロジェクト
https://www.jica.go.jp/partner/kusanone/partner/mon_09.html
https://www.jaicaf.or.jp/fileadmin/user_upload/news/news/beesum-p1.pdf
 
地方での生計維持を目指した養蜂振興プロジェクト
https://www.jica.go.jp/partner/kusanone/partner/mon_15.html
ビーポーレン(蜂花粉)
※ビーポーレンとは:ミツバチが女王蜂や自分たちの越冬に備え、様々な花から花粉を集め自ら分泌する酵素で固めたもので、ローヤルゼリーの原料でもある。ビーポーレンによっては、ビタミンA,B,C,D,E等18種類のビタミン、カルシウム、鉄、亜鉛、マグネシウム等のミネラル、必須アミノ酸、必須脂肪酸、ルチン、フラボノイド等、約150種類もの栄養素が含まれる。
ダシンチレン郡での養蜂技術指導の様子
ダシンチレン郡のカラガナ(Caragana microphylla)の様子
ダシンチレン郡での巣箱の設置状況
蜂の越冬のための穴を掘る様子