HOME事業紹介 > 途上国持続可能な森林経営推進事業 事業化可能性調査 (カカオ豆)

途上国持続可能な森林経営推進事業 事業化可能性調査 (カカオ豆)

事業期間

平成27年度

事業形態

林野庁補助事業

目標

開発途上国における森林減少・劣化の一因として、森林資源の経済的価値が低く、他の経済性の高い土地利用、例えば、牧場や農地、工場団地、住宅地等に転換されている現状があります。持続可能な森林の経営と利用を実現するためには、森林の経済的価値を高めること、すなわち、地域条件に応じた森林資源の発掘や需要の開拓、市場へのアクセスの確保、加工方法の改善などを通じて、非木質系林産物(Non Timber Forest Products NTFPs)の付加価値を高めることが重要です。
カカオの木は風光に弱く、半日陰を好みます。特に幼木は直射日光に弱いため、被陰樹となる高木の下で良好な生育を示します。このため、伝統的なカカオ栽培は森林の中で行われ、森林の持続的な経営を実現することが可能です。
本事業は森林資源の利用による森林の持続可能な経営と管理を実現し、森林の樹下栽培によるカカオを通じた地域住民の所得向上となるビジネスモデルを構築することを目的として、フィリピンのカカオ栽培について調査を行いました。



活動内容

日本の国内調査では、チョコレートに関わる関連企業や団体から、日本のチョコレート市場の動向や、日本におけるカカオ豆の取り扱い状況を、現地調査では、カカオの生産現場や流通の現状を中心に調査を行い、その結果等を踏まえてビジネスモデルの提案を行いました。調査で留意した点は、次の3点です。
 
①森林に依存しているフィリピンの地域住民(小規模農家)の所得向上
②安定したカカオの供給源の確保
③輸送コストの削減
 
フィリピンでは、2011から2016年までの5年間で、150万haの植林を実施する国土緑化プログラムを実施中であり、この中に6万haを超えるカカオの新規植林も計画に含まれています。一方、現状では、カカオの生産量が少なく、先進国の大手菓子メーカーが進出していないため、小規模農家を巻き込んでプロジェクトを実施しやすい環境もあります。
現在のところ、カカオ豆の日本への輸出は進んではいませんが、日本のいくつかのチョコレート会社にフィリピン産カカオ豆を試してもらったところ、日本人になじみのある味わいであり、利用しやすい等の意見をもらっています。実用段階に移行するためには、発行方法を改善し、均質のカカオ豆を安定して確保すること、日本への輸出ルートを確保することが求められます。

担当者から

現在日本のカカオ豆は8割がアフリカ、特にガーナから輸入されています。フィリピンからのカカオ豆の輸入が実現すれば、カカオ豆の輸送距離は半分以下となり、輸送コストや輸送によって消費されるエネルギーを節約することが可能になります。また、現在はBean to Barというカカオ豆の状態から板チョコレートになるまでの、全ての工程をチョコレート会社が携わるという取り組みが盛んになっており、カカオ豆の産地や種類についても着目されることが増えてきました。フィリピンの持続可能な森林経営を実現し、促進するチョコレートが日本で食べられる日も近いかも知れません。