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エチオピア国農村地域における対応能力強化緊急開発計画策定プロジェクト

事業期間

 2012年3月~2015年3月

事業形態

 JICA開発計画調査型技術協力

目標

 調査と実証事業の実施を通じ、オロミア州およびソマリ州の干ばつに脆弱な農村地域で、干ばつ等の外部からのショックに対する住民とコミュニティの対応能力(レジリエンス)の強化に貢献することを目的として実施している。

活動内容

(1)オロミア州およびソマリ州の現行の対応能力強化戦略、プログラム内容、他ドナーの支援内容および本プロジェクトの位置づけが明らかにする。

(2) 牧畜地域で対象とする牧畜民・農牧民の対応能力が強化される。成果達成のために、オロミア州南部ボレナゾーンを対象としてコンポーネント1(水へのアクセス改善、家畜マーケティング能力強化、飼養管理・草地管理等)のパイロット事業を実施し、その成果を検証する。

(3) 牧畜地域において対象とする元牧畜民の対応能力が強化される。この成果達成のため、ソマリ州ゴデを対象地域にコンポーネント2(農業インフラ整備による灌漑農業の改善)のパイロット事業を実施する。

(4) 少雨地域における対象農家の対応能力が強化される。この成果達成のために、オロミア州の少雨地域の多投入多収入型の農家を対象としてコンポーネント3(少雨地域における農家の対応能力強化)に係るパイロット事業を実施し、その成果を検証する。

(5) オロミア州およびソマリ州の現行の対応能力強化戦略、プログラムへの提言がなされる。パイロット事業の過程、および活動成果の発表・共有の場を通じて災害リスク管理戦略、またレジリエンス強化に係る具体的な提言を行う。

 

担当者から

  ソマリアとケニアに隣接するオロミア州ボレナ地域の主たる生業は農放牧業である。このボレナ地域は半乾燥地で、近年旱魃の発生間隔が短縮化し、旱魃期間が長期化しています。元来、半乾燥地は、家畜の餌となる草木の生産供給量が少ないため、放牧民は放牧という移動手段を用いて家畜に餌を供給してきました。放牧の移動先は、降雨量の多い時は居住地からそれ程離れていない自然放牧地ですが、旱魃時には国境を越えて隣国まで移動します。旱魃の発生はエチオピアのみだけでなくソマリアやケニアでも同時に発生し、家畜の餌となる植生を争う軋轢が、国家間、部族間、放牧民‐農耕民間で発生し、大きな社会問題となっています。

 旱魃によるショックを皆無にするのは不可能ですが、ショックの緩和は可能なためレジリエンス強化を様々な手段を用いて実践しています。目下の問題点は、特に乾季の家畜の餌の不足、ブッシュ拡大による放牧地の減少、放牧地帯へ農耕が進出することによる重要な放牧経路の遮断、家畜市場の不足(旱魃時に家畜の死亡を防ぐために市場まで放牧移動して販売するが、移動距離が長いと移動中に死亡する)等であります。

 具体的には、家畜バリューチェーン調査、ボレナ地域の使用可能な植生、放牧地の放牧可能頭数(キャリングキャパシティー)調査、放牧地の確保と柵作り、ブッシュクリアリング(ブッシュを切り払い牧草や飼料木を増やす)、乾季の餌の生産確保(サイレージや乾草の生産と保存、作物残渣の利用)、家畜市場の設置、家畜の水飲み場の確保(旱魃時の家畜死亡は餌不足ではなく水不足)、土壌流出防止(ウオーターキャッチメントの作成と牧草や飼料木の播種・移植)等を行っています。

 最終的には、地域放牧民が自力で継続できる水や植生資源の確保を目指していますが、人口増加、農地拡大、ソマリア・エチオピア・ケニア国境の紛争、放牧移動による国境周辺の家畜流行病の蔓延等の問題が山積しており、3国を含む広域的な対策が望まれています。


プロジェクトURLリンク

農村地域における対応能力強化緊急開発計画策定プロジェクト2014/06/27

(要約表):http://www2.jica.go.jp/ja/evaluation/pdf/2011_1103799_1_s.pdf

http://www.jica.go.jp/oda/project/1103799/index.html

ブッシュクリアリング後の放牧地
ブッシュ枝の切除指導
サイレージ作り指導
建設した家畜市場
牧草と飼料木の生育状態