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中華人民共和国 涼山州金沙江流域生態環境保全総合開発モデルプロジェクト

事業期間

2009年6月~2014年3月(予定)

事業形態

JICA技術協力プロジェクト

目標

 涼山州金沙江流域の水土流出の多い山岳地帯の生態環境が維持・改善されることを上位目標に、プロジェクト活動対象2村における実証を通じて、淳民参加手法による生態環境の保全と、農業生産性の向上を備えた農村開発にかかる、持続可能な発展のための事業モデルを形成するとともに、この事業モデルを周辺地域に紹介することである。

活動内容

 (1)協力対象県の関係者(州、県、郷鎮及び村レベル機関行政スタッフ及び農民)が参加型で農村開発を行う能力を向上させるため、プロジェクトの関係者の能力及び知識向上のための住民参加型農村開発にかかる研修を実施する。
(2)生態環境と調和した農業の持続性向上と農民生活の改善を図る事業モデルを確立させるため、農村の資源調査(土地利用、自然、社会経済、市場に関する情報)を実施し、2-1住民参加型手法を活用し、生態環境保全に配慮した農村振興に係る活動計画(流域土地利用・保全計画/農業振興計画/農村生活環境改善計画)を策定、モデル農家においてパイロット活動(①生態環境保全に配慮した農業生産性向上に係る活動、②生態環境保全に配慮した農民の生活改善に係る運動)を実施する。また、実施結果を取りまとめて事業モデルとして確立する。
(3)協力事業対象県内へ事業モデル紹介・普及する仕組を構築するため、
事業モデル普及用マニュアル及び教材を作成し、事業モデルの紹介・普及研修等を開催する(行政スタッフ、技術普及員、農民リーダー対象)
 

担当者から

 プロジェクト対象地域は中国の56の少数民族のうち、人口が7番目に多い(約800万人)イ族が集中して居住している地域である。イ族は古くから焼畑農業と家畜飼養が主な生計手段であり、歴史的に他の民族との衝突もあって、多くは奥山や山岳の上部に分散して生活している。交通の不便さが突出しており、農業は殆どクワ一本の手作業で、自然地形をそのまま耕している。ゆえに土地の生産性は比較的低く、土壌の流失が激しい。栽培作物は主にメイズ、ジャガイモ、ソバ、インゲン豆。主な現金収入はタバコの葉の栽培と養蚕による。近年、クルミやサンショウなど木本植物の果実の需要が急伸しており、これらの樹木の植栽が流行っている。環境保全においては追い風である。
 このプロジェクトの基本は農民のエンパワーメントの実現にあるが、住民自身の世界観や価値観、置かれている時代の社会経済環境、当局の貧困山村救済政策など様々な要因が絡み合って、その実践は容易ではない。具体活動は作物品種改良、家畜優良品種導入などではプロジェクトから原資を出し、リボルビング方式で村全体に広げる形式、居住条件改善(改良カマド)や植林(用材林樹種と果樹)などでは資材と苗木の無償提供形式で技術と活動そのもの普及がなされる方式を採用している。また、スタディ・ツアーや講習会による意識の啓蒙も行っている。3年目からその効果は徐々に一部のやる気のある農家から見られるようになっている。あきらめず努力を重ねていけば、いずれは欣然を覚える日が訪れると信じて頑張るしかないと覚悟している。

プロジェクトURLリンク

http://www.jica.go.jp/oda/project/0702359/index.html
http://gwweb.jica.go.jp/km/ProjectView.nsf/VIEWALL/

公開報告書等

事業事前評価表(技術協力プロジェクト)
http://www2.jica.go.jp/ja/evaluation/pdf/2008_0702359_1_s.pdf

金沙江流域地形と農耕の様子
日向ぼっこするイ族の老婦人
農民に苗木を提供し植え方を教える
ジャガイモ収穫を体験するスタッフ