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途上地域混牧林経営推進確立調査事業(インドネシア・マリ)

事業期間

2002年4月~2006年3月

事業形態

林野庁補助事業

目標

 アフリカのサハラ砂漠南部地域やアジア・中央アメリカの乾燥・半乾燥地域を中心に、地域住民が放牧する牛・羊・山羊等の家畜による食害と薪炭採取のために森林の造成、保全等が妨げられているという現状が広く見られる。FAOによる分析でも、途上国地域の森林減少の主要な原因として家畜の過放牧、薪炭材の過剰採取が挙げられているところである。他方、これら地域での放牧の様式は地域住民が必要な所得を得るための長年の社会・生活上の慣習でもあることから、これらの慣習を前提としつつ地域の自然条件にも適合した森林造成、保全のための施業仕組を構築することが緊急の課題となっている。本調査事業の目的は、家畜の過度な放牧圧力が森林の造成及び保全を脅かしかねないような途上国地域において、その地域の社会・自然条件に適合し、地域住民の生業であるところの農業や家畜の放牧とも共生可能で、かつ地域住民が主体となって持続的に実行が可能な森林造成の技術を確立することにある。この目的を達成する為に、本調査事業では地域住民に計画策定の段階から参加してもらって活動内容を検討、決定し、それらの活動仕組が実際に実行可能かどうかを検証する実証事業を3年間に渡って実施した。
 実証事業は東南アジア地域のインドネシア国東ヌサテンガラ州西チモールと、西アフリカ地域のマリ国クリコロ地方の2ヵ所で実施された。

活動内容

 事業第1年次に行った事例調査を踏まえ、2年目から実施した実証調査においては、共有地における薪炭材生産が目的の植林地の造成や畑地の周辺の防風林の造成では、苗畑での苗木作りから植林、保育まで、カウンターパートである相手国の森林官と共同で地元住民に指導を行った。また、農地の生産性を向上させるための方策として、マイクロキャッチメント、堆肥の生産、斜面地におけるテラス工法等の試験的な導入を指導した。更に実証事業の効果を判定するため、各活動のモニタリングや住民、カウンターパート等を対象とした評価分析を実施した。

担当者から

 事業を通じて理解できたことは数多くあるが、一つ述べると、インドネシアにおける混牧林経営で最も強く求められたことは、「活動が如何に住民の生活向上に結び付くか」ということであった。もっと端的に言えば、活動によって収入向上が図られることが最も重要な点であり、この点を明確にし、活動の主たる目標とすることによって参加した住民のモチベーションも高まり、活動が活性化してこちら側が意図した混牧林造成・経営といった本来の目的にも結び付くという構図があった。
 一方、西アフリカのマリにおける混牧林経営で最も強く求められたことは、「活動が住民の基本的な生活安定に結び付くか」ということであった。もっと端的に言えば、活動によって如何に安定的に食糧を確保することが出来るかということにあり、そのためには全ての源である水をどのようにして確保するか、ということが最も基本的で最も重要な点であった。水さえ安定的に確保できれば、農業も出来るし、家畜も飼える、木も植えられる、というのが彼等の基本的な主張であった。この「水の確保」という一点において参加した住民のモチベーションも高まり、活動が活性化してこちら側が意図した混牧林造成・経営といった本来の目的にも結び付くという構図があった。同じ混牧林経営を通じた事業であってもこのように異なる結果を得ることが出来、大きな知見となった。

公開報告書等

JOFCAホームページ(http://www.jofca.or.jp/)で以下のものを公開
途上地域混牧林経営推進確立調査事業報告書 施業仕組実証調査(最終年次)(インドネシア共和国・マリ共和国)(和文)
http://www.jofca.or.jp/report/2005-spm-report-j.pdf
途上地域混牧林経営推進確立調査事業報告書 施業仕組実証調査(最終年次)(インドネシア共和国・マリ共和国)(英文)
http://www.jofca.or.jp/report/2005-spm-report-e.pdf
女性住民を対象としたジェンダーに関する聞き取り調査(マリ)
カリテバターの木の測樹(マリ)
実証事業で住民が自ら作った牛の飼料とするサイレージ(インドネシア)
実証事業の評価に関する住民への聞き取り調査(インドネシア)